2013年11月20日水曜日

仕事の喜びは何か - 学習院大学芳野先生のお話

先週土曜日に、普通科1年生の皆さんを対象に学習院大学の芳野まい先生がお話して下さったことをご紹介しました。その際に、芳野先生がとても印象に残ることをお話されていました。

それは・・・

"自分の仕事の喜びは何か"

ということです。

芳野先生はもともと、中学生の時に読んだマルセル・プルーストの「失われた時を求めて」という作品に感動し、フランス語・フランス文学を学ばれることを決心されました。ですが、大学~大学院で文学作品の研究のみをされてきたわけでは無く

- 通訳・翻訳(フランス語が堪能なだけでなく、英語も通訳ガイドの資格をお持ちだそうですので、日本語・英語・フランス語3ヶ国語を用いて素晴らしい方の通訳を多くなさってきた、とおっしゃっていました。若き日のスティーブジョブスの通訳をしたことがきっかけで、「生涯Mac製品を使う」と決められた、とも。)

- 教科書作成 (現在進行中のお仕事とのことですが、普通の教科書ではなく「心ときめくもの(Choses qui font battre le coeur)」というタイトルで、日本の文化や様式などを世界に発信する教科書を作っていらっしゃいます。ちなみに、その中で扱われている内容は、和菓子、映画、アニメ、しょうゆ、日本の食、照明、お香、祭り、など実に日本人でも深く学びたい内容ばかり。それぞれの道の一流の方が日本語で書かれた文章を、芳野先生がフランス語に翻訳された教科書なのです。)

- 舞台の脚本などの製作 東宝などからのお仕事で、舞台の脚本を書かれるお仕事などもされてきた、ともおっしゃっていました。

- フランスファッションの研究 プルーストの作品の中の「ファッション」に興味をもたれ、フランスのファッション文化などについても研究されているそうです。

・・・などなど、幅広くお仕事をされてきたことをお話して下さいました。その中で、以下のビデオの中でおっしゃっているように、



「素晴らしい方との出会いを経て、大きな学びがあった。これからは自分の周りにいる人と人をつなぐことで、面白いことを仕掛けて行きたい」

とのことでした。それを、仕事の喜びとしたいともおっしゃっていましたね。

芳野先生のこのお話に、私は大変共感しました。そして先日ラジオで対談させていただいた脚本家の小山薫堂さんがおっしゃっていることとも通じるものがあるな、などとも感じているのです。

私自身もこの学校での仕事を通じて、素晴らしい方に多く出会い、生徒たちとそのような方をつなぐことを喜びとしていきたいと感じています。

本校で学んでいる皆さんは、ぜひ学校内で様々な方にお会いする機会を貪欲につかんで、大いに刺激を受けて欲しいと思います。